射水市民病院
お問い合わせ:0766-82-8100

病院長ごあいさつ

2023年5月2日更新

長引く新型コロナによるパンデミックに対峙して想うこと

inchhou
院長 島多 勝夫

 

 市民の皆さん、新型コロナウイルスとの戦いも早4年目に入りますが如何お過ごしでしょうか。「ニューノーマル」という新たな日常を余儀なくされ、3年以上にも及ぶ三密回避とマスク着用・手洗いを基本とした感染対策の徹底を励行する日々が続いており、心理的にも肉体的にも相当の疲労が蓄積していることと推察致します。

 令和3年2月より新型コロナウイルス感染症(以下、COVID-19と呼ぶ)に対するワクチン接種が全国で開始され、これまでとは違いCOVID-19に対する大きな武器をもつこととなりました。

 令和5年4月で院長就任7年目に入りましたが、令和4年3月に入りCOVID-19ウイルスの新たな遺伝子変異によりオミクロン株の感染爆発が全世界に発生し、本邦においても予想以上に猛威を振るい、第8波の全国的な感染蔓延を来し医療崩壊に近い状況になったことはまだ記憶に残っている方も多くおられると思います。 

 COVID-19は中国の武漢で令和元年12月に発生し、瞬く間に全世界に蔓延しました。世界保健機関(WHO)は令和2年3月11日に新型インフルエンザでいうパンデミックと位置づけ、日本国内では公衆衛生上の危機感が高まりました。原因に関しては、これまでに経験したことのない未知のm-RNAコロナウイルスであり、ヒト-ヒト感染を有する能力を持ち、感染者の約80%前後が未発症や軽症者で自然寛解するものの、残りの20%は重症化し5%の方は不幸な転帰をとるとされました。約2週間に1度の間隔で変異を繰り返し、その際に感染性や病原性を獲得しつつ治療抵抗性の性格を獲得するとされています。特徴としては人との接触や緊密状態を介して飛沫・接触・空気感染し、症状の発症前後が最も多量のウイルスが検出され、感染前2日から発症後5日間が特に感染可能性が高いとされています。発症後5日を過ぎればウイルス量は急減し、PCR検査を受ける基準は、発熱などの症状が表れてから1-2日経過してからとされてきた経緯があります。当初は発症後1週間から10日経過し病状が悪化する恐れがなければ隔離する必要はないとされていましたが、令和5年5月8日からは濃厚接触者の制限もなくなり、発症後5日かつ症状改善から24時間経過すれば特別な状況でなければ入院療養や外出制限も撤廃されることとなりました。但し、基礎疾患を持つ方や重症化するリスクをもつ方などは入院加療が必要となる場合があるとともに、介護施設・療養施設に入所しておられる高齢者の方々は当分の間は感染対策の継続が望まれるところであります。 

 パンデミック当初は、新規感染者の急増により医療機関の入院可能な確保病床数をはるかに上回る状況となったことで、一時は無症状や基礎疾患のない軽症者・中等症Ⅰの方々に関しては自治体で確保した宿泊療養施設や自宅療養を勧めていたこともありました。COVID-19新規感染者の急増している地域では看護体制の行き届いている宿泊療養施設やCOVID-19感染者対応専門の病院の臨時開設があったことはまだ記憶に浅くないと思います。

 しかし、時々刻々と変化する感染状況に応じて各地域でのCOVID-19感染者に対する医療提供体制が変化していった中で、時には自宅療養での待機患者の中には急変し不幸な転帰をとる方が発生したのも事実であります。

 次に、COVID-19ワクチン接種の効果に関しては、本邦におきまして欧米よりも遅れて令和3年2月より特定の医療機関の職員を対象に先行接種され、当初の集団免疫の目標である全人口の7-8割のワクチン接種に期待がもたれたところでありましたが、度重なるCOVID-19ウイルスの遺伝子変異によりワクチンの免疫回避が問題となり、更なるブースター接種(3回目以降のワクチン接種を指す)が毎年継続されることが予想されます。

 また、COVID-19の治療薬として抗体療法や抗ウイルス薬が複数開発されましたが、既存のインフルエンザ治療薬のような有効性は証明されておらず、まだ研究段階と考えられます。 

 昨年は100年に1度とも言われるCOVID-19による本パンデミックの第8波が襲来し、今年もまだ完全な終息の兆しは見えておりません。折しも本年5月8日からはCOVID-19感染症は感染症法上の2類相当から5類への移行に伴い、多くの行動上の制約が解除されますが、本ウイルスは消滅することはなく今後も当分の間変異を繰り返すものと考えられ、COVID-19の特徴を充分理解した上で周囲環境に留意しつつ、手洗い・マスク着用を基本とした感染防止対策の臨機応変な継続が強く望まれるものと考えます。 

                   2023年5月  病院長 島多 勝夫

診療日・時間
診療日

月曜日から金曜日
土曜日・日曜日・祝日は休診

受付時間

午前 8時15分から11時30分
午後 12時45分から16時00分

※診療科により異なります

外来診療について
外来診療担当表
救急診療について
入院・面会について
健診・ドックについて
地域連携について
スマートフォン版パソコン版の表示に変更する
TOP

お問い合わせプライバシーポリシー著作権について免責事項サイトマップ

Copyright©2018 IMIZU MUNICIPAL HOSPITAL. All rights reserved.