現在の位置:ホーム 過去の健康コラム > 平成29年3月 大腸憩室出血について

平成29年3月 大腸憩室出血について

外科部長 太田 長義

 「大腸憩室」とは、大腸壁の一部が袋状に突出したものです。その大部分は後天性で加齢とともに増加し、60歳代では発生頻度が20%を超えています。大腸憩室の発生原因としては、食生活の欧米化による食物繊維摂取量の低下や、高度な便秘による腸管内圧の上昇などが挙げられています。一般に大腸憩室の70~80%は無症状と言われていますが、主な合併症として憩室出血や憩室炎、憩室穿孔などがあります。

 このうち憩室出血は大腸憩室の15%に合併すると言われていますが、下部消化管出血の原因の中で最も頻度が高くなっています。その理由としては、高齢化に伴い、腸管の血管壁に悪影響を及ぼす高血圧や動脈硬化性疾患が増加することや、非ステロイド性抗炎症薬を中心とした抗血栓薬を使用される方が増加していることが挙げられます。

 憩室出血の特徴としては、腹痛を伴わない大量下血が主症状となるため、緊急的な診療が必要になります。出血部位の診断には、造影CTや大腸内視鏡検査が有用で、多くの場合は自然止血するため、絶食と点滴のみの治療を行います。自然止血せず、貧血の進行や血圧低下をきたす場合は、まず内視鏡にて出血部位に止血用のクリップをかける治療を行います。内視鏡にて出血部位が特定できない場合は、血管造影にて動脈塞栓術や腸管部分切除などの外科的手術が必要になります。

現在の位置:ホーム  > 過去の健康コラム  > 平成29年3月 大腸憩室出血について