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平成27年11月 嚥下と呼吸、発声について

耳鼻咽喉部長 山本 憲

 現在の社会では、65歳以上の高齢者が人口全体の26%以上を占めています。高齢者の増加にともない「誤嚥・窒息」は、不慮の事故による死亡数において「交通事故」を抜いて1位になりました。また死因においても、1位の悪性新生物、2位の心疾患についで肺炎が3位に入っており、「嚥下」と「呼吸」との関係は重要になっています。

 食物搬送路は、のどで気管と交差するので、発声・構音器官とも関連があります。そのため嚥下障害の診察では、呼吸障害や構音障害の有無も診る必要があります。発声するときは、呼気流を動力源にして声帯を振動させて原音を作り、主に上気道を用いて共鳴させて言葉を発しています。発声時に、痰の絡んだゴロゴロという声や声帯の閉鎖不全によるかすれ・ささやき声がある方、開鼻声(鼻から抜ける声)や口唇の閉鎖不全によりパピプペポ・バビブベボがうまく発声できなくなった方は、嚥下障害が起こりやすい状態と言えるでしょう。

 通常、口から摂取された食物は食道を介して胃まで搬送され、食物を嚥下する際は呼気時がほとんどです。呼吸のリズムが乱れると吸気時に嚥下してしまい、食物が口や鼻から逆流したり、気管内に流入して誤嚥の原因になります。

 誤嚥はなくても発声が気になる方は、適切な訓練を行うことで将来の誤嚥のリスクを減らすことができます。肺炎を予防するためにも、誤嚥を繰り返す方や声が気になる方はご相談ください。

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