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平成27年2月 冬と心血管疾患(心臓病・脳卒中)

心臓血管センター長 石瀬 久也

 昔から「季節の変わり目に持病が悪化する」「雨が降ると古傷が痛む」などと言われるように、季節・気象の変化と健康の間には深い関係があります。私たちの身体には外部環境の変化に適応する機能が備わっていますが、冬の寒さは夏の暑さ以上に人体に深刻な影響を及ぼします。また、高齢になると寒さに対する適応力が低下するので、今後、高齢化が進むにつれて心臓病や脳卒中などの心血管疾患は、ますます冬期に増加するものと思われます。

 寒い時期に心血管疾患が多くなる原因として、温かい場所から寒い場所へ移動する際の血圧の急激な上昇(ヒートショック)が挙げられています。また、寒さで心臓の血管が過剰に収縮し、血流不足になることも一因です。さらに冬期は不慮の溺水による死亡率も著しく増加します。その多くが入浴中の事故死であり、65歳以上の高齢者に集中しているのです。こちらも冷えた脱衣所での更衣や熱い湯に浸かった際のヒートショックが主たる原因と考えられています。

 しかし、最も寒さが厳しい北海道では、冬の寒さによる心血管疾患の死亡の危険性が最も低く、入浴死の死亡率も低いことが知られています。北海道に限らず、東北や北陸の寒い地域においても、心血管疾患による死亡の危険性が寒さに依存しないというのは意外ですが、これは寒冷地で生まれ育った人が寒さに強いということではなく、寒さに耐えうる生活様式や住環境が関係しているようです。

 このように住環境の整備や防寒対策、入浴の際のちょっとした工夫(脱衣所や浴室を暖めておく、湯温はぬるめに(高くても41度まで)など)は、冬を快適に過ごすためだけではなく、心臓発作や脳卒中の予防のための有効や手段といえます。

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