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平成25年12月 ピロリ菌と胃がんについて

外科医師 三輪 武史

 最近、テレビCMなどでよく出てくる「ピロリ菌」、皆さんはご存知でしょうか?

 ピロリ菌は正式にはヘリコバクター・ピロリと呼び、らせん状の変わった形をした細菌で、胃にすみついて胃潰瘍や胃がんの原因となることがわかってきました。ピロリ菌の感染経路はおもに口からであり、井戸水などを飲むことが原因の一つとされますが、親から子どもへ唾液を介しても感染します。日本におけるピロリ菌感染者は約6千万人とされ、60歳以上の7~8割、若者でも2~3割が感染者であるとの報告があり、私たちの生活に無関係ではありません。

 そもそもピロリ菌はなぜ胃の中で生きていけるのでしょうか。胃では強力な胃酸が分泌されているため、普通の細菌は死滅してしまいますが、ピロリ菌はアルカリ性のアンモニアを合成し、胃酸を中和することで生き残ることができます。

 このことをオーストラリアのウォーレンとマーシャルの二人が発見しましたが、当時、胃は無菌であることが常識であり、彼らの説は冷笑されました。そこでマーシャルは自らピロリ菌を飲み込み、胃に感染することを実証したのです。二人はこの功績で2005年にノーベル医学・生理学賞を受賞しました。

 現在、ピロリ菌を除菌することが、胃がんの予防になると考えられています。以前は胃潰瘍や胃がんにならなければ除菌の対象になりませんでしたが、今年からは、そうなる前でも除菌が可能になりました。ご心配な方は気軽にご相談ください。

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