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平成23年8月 治る認知症の話

脳神経外科部長 赤江 豊

 日本における平均寿命は年を追うごとに伸びており、それと歩調をあわせて認知症を発症する高齢者も急速に増えています。

 認知症はだれにでも起こりうる病気で、自分、家族の中の誰かが認知症と診断されたときに冷静に対応できる知識を持つことが必要です。認知症はこれまで治らない病気と考えられてきました。しかし、最近では認知症に関する考えも大きく変わりました。大事なことは治る認知症も沢山あることを知っていただくことです。今回は脳神経外科に関係した病気で完全に治る認知症についてお話します。

 認知症に関係する代表的な三つの病気があります。慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、前頭葉の良性脳腫瘍です。いずれも手術で完全に認知症が治る可能性があります。

 慢性硬膜下血腫は頭部外傷のあと数週間から数ヶ月の間にゆっくり頭の中に血がたまってくる病気です。局所麻酔でできる小さな手術で完全に認知症様の症状が無くなります。

 正常圧水頭症は原因不明もありますが、くも膜下出血、頭部外傷などのあとに起こってくることが多い病気です。脳にたまった余分な脳脊髄液という水を流す手術で、この認知症も完全に無くすることができます。

 三番目の前頭葉良性脳腫瘍の認知症は、前頭葉を圧迫している腫瘍を手術で取り除くことで治療します。

 認知症の中にも治療法が確立していない病気もありますが、この三つの病気は、病院においでになって頭部CTあるいは頭部MRIを撮られれば診断は難しくありません。認知症はみんな同じと考えないで、必ず一度は頭の写真を撮られることを強くおすすめします。

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