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平成20年8月 先天性股関節脱臼について

副院長(整形外科部長)  黒田邦彦

 射水市では、3~4カ月児健診において、先天性股関節脱臼の検査も行っています。検査では下肢の長さや、股の開き具合などを診察し、さらに超音波検査も行っています。先天性股関節脱臼は、出生前後に股関節がはずれ、放置すると後遺症を残す疾患です。先天性という名称から、出生前に発症すると思われがちですが、出生後に発症する場合もあります。出生前の原因としては、遺伝的要因、子宮内の姿勢異常等があります。出生後の原因としては、不適切なオムツのあて方や、窮屈な衣服で下肢の動きを抑えることこと等です。厚着のため、下肢の自由な運動が妨げられる11月~2月生まれの赤ちゃんや、下肢を伸ばした状態でオムツをあてる習慣のあるある民族ではこの疾患の発生率が高く、逆に6月生まれの薄着の赤ちゃんや、オムツをしない熱帯地域の民族では、発生率が低いことが知られています。これは赤ちゃんの下肢を自由に運動できる状態にしておくと、脱臼が起こりにくいことを示唆しています。わが国での発症率は、30年前は2%と効率でしたが、適切なオムツのあて方の指導により、0.1~0.3%(射水市では0.11%)に減少しました。しかし発症率はゼロになることはなく、今後も一定の率で推移していくことが予想されます。
  先天性股関節脱臼は早期発見、早期治療はもちろん、生後一日目から赤ちゃんの下肢の自由な運動を妨げないことが、予防として大切です。

(広報いみず 平成20年8月号より転載)

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