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平成24年11月 検診の位置付けと乳がん治療の現在・未来

副院長兼外科部長 島多 勝夫

 乳がん患者死亡率の増加に歯止めをかけるべく、国は平成18年、がん対策基本法の策定により、検診率向上による死亡率低下を掲げました。さらに近年、それをより一層積極的に推し進めようとする機運がみられます。

 富山県は、いち早くマンモグラフィー(乳房X線検査)併用検診を導入し、検診受診率も30~40%前後と全国では比較的高い方ですが、死亡率低減効果を確実とするには、受診率を50%以上まで引き上げることが不可欠です。検診は、市民の命を守るための手段として、個人のみならず、地域や自治体がその意義を再認識することが必要となっています。

 また乳がん治療に関しては、ここ10年間、分子遺伝学や薬物療法(特に分子標的薬剤:ハーセプチン等)の進歩により、その治療戦略が年々変ぼうしています。その一つに、術前化学療法による乳房温存率向上や、がんの個性にあった術後補助療法の確立(がん関連遺伝子や、ホルモン感受性を利用した治療法の設定)などがあげられます。乳がんの対処法は、がんの多様化と相まって治療の個別化へと変遷しており、その流れは当面変わらず続いていくものとされています。

 今後は、検診受診率や検診精度の向上を図るとともに、がん患者さんに対しては、科学的・効率的な治療スケジュールをそれぞれに提供し、乳がん死を少しでも減らしたいと考えています。射水市民病院は、これからも地域の皆さんの健康増進に貢献できるよう努めますので、よろしくお願いいたします。

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